労働基準法上の労働時間について、判例(最判H12.3.9)は、「労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間」をいうとしています。そして、労働者が退勤後に自宅で行ういわゆる「持ち帰り残業」については、自宅は使用者の支配下にないことから、裁判所は容易に労働時間とは認めません。労働時間と認められるのは「使用者から業務の遂行を指示されてこれを承諾し、私生活上の行為と峻別して労務を提供して当該業務を処理したような例外的な場合に限られる」などと説かれています(白石哲編著『労働関係訴訟の実務〔第2版〕』66頁藤井聖悟執筆部分)。
ご質問のケースでは業務時間外のメールチェックは義務づけられていないとのことですので、使用者から退勤後の業務の遂行を指示されていないことから、他に特段の事情がなければ、例外的に持ち帰り残業が労働時間として認められる場合には当たらず、1.2.のいずれも労働基準法上の労働時間に該当する時間はゼロ時間と考えられます。
2.のケースでは、メール中に本日中の返信を求める記載があったとのことですが、メールチェックを指示されていない以上、チェックしないことに問題は無く、返信を怠った場合に責任を問われたとすれば、責任を問うことが間違っているといえます。
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