
不貞慰謝料又は離婚慰謝料が必ず配当原資に充てられなければならないかというと,疑問に感じます。
以下の点は,少し専門的な話になりますが,詳しく説明すると長くなるので,分かりやすい説明は割愛します。
自宅を所有しながら破産となると,他の資産の有無や残ローンと自宅評価額との差額にもよりますが,管財事件になる可能性が高いと思われます。
管財事件だと,自由財産の拡張の申立てが可能であり,慰謝料については,自由財産拡張を申し立てればそれなりの金額は拡張が認められるように思います。
要は,破産しても慰謝料を(全額ではないかもしれませんが)手元に残せる可能性があるということです。
妻に対する慰謝料請求を認めさせるに足りる証拠が揃っているのであれば,慰謝料請求を先行し,勝ち取った慰謝料から申立費用を捻出して破産申立てをするというのでもよいように思いますが,詳しい事情が不明なので明確な回答はできません。