「降格」には人事権の行使として行われるものと、職務命令不服従に対する懲戒処分として行われるものがあります。
人事権の行使として行われる場合、使用者側に広い裁量が認められており、降格人事が違法になるのは、人事権の濫用となる場合に限られます。
人事権の濫用となるのは、①労働者の人格を否定するような違法・不当な目的をもって行われた場合、又は、②使用者側における業務上・組織上の必要性がどのくらいあるか、労働者が職務、地位にふさわしい能力・適性を有しているか、労働者がどのくらいの不利益を受けるかといった点から、使用者の裁量権に逸脱が認められる場合になります。
今回のケースでは、これまでの看護師の業務に介護士の夜勤業務を加える必要性があるのか、介護士の業務が重くなることを拒否することが降格に値するかという点で疑問があります。さらに、降格人事に加えて度を超えた退職勧奨も行われているとなると、違法となる可能性もあります。
一方で、例えば職務命令不服従を理由とした懲戒処分として降格処分が行われた場合、看護師にお手伝い以上の介護業務を求める職務命令が妥当かという問題になります。
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